アメリカの名門「シカゴ大学」と「臭い玉ねぎ」
世界の名門大学「シカゴ大学」【傾向編】
寄付によって再開したシカゴ大学
シカゴ大学の歴史は、米国の大富豪で石油王のJohn D. Rockefeller氏から始まります。旧シカゴ大学は、1856年バプテスト派の教育者たちによって設立されましたが、1886年に一旦閉校することとなります。
しかし支援者が新たに大学を開校するために懸命に資金を集め始めます。これに賛同する形で、石油王 Rockefeller氏が、American Baptist Education Society(米バプティスト教育学会)に多額の寄付をしたことにより、1890年、新シカゴ大学は、その門戸を再び開くことができたのです。のちにRockefeller氏はこの寄付について、「私の人生において最も良い投資だった」と語っています。大学はバプティスト派が起源ではありましたが、この再開のタイミング以来、男女共学で宗教色のない大学に姿を変えました。
シカゴ大学は、特に経済の分野に強いことで有名です。実際に「シカゴ学派」と呼ばれる経済学の学派が存在しているほどで、一派が経済学の進展を世界レベルでリードしています。当然、シカゴ大学では経済学が最も人気のある専攻科目であり、学生の4分の1が経済学を専攻しているくらいで、これは他の名門大学と比較しても極めて偏ったバランスです。
経済学部では、ノーベル賞受賞者や数々の賞を受賞した有名な経済学者の講義を受けられる機会も与えられています。もちろん経済学以外にも強みのある専攻科目は幾つかあります。例えば数学科のプログラムは素晴らしい評価を受けており、学生の約10%が数学を専攻しています。